木印手記Blog

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SH Chair

久しぶりに… というより、ようやくブログが更新できるようになりました。

というのも、受注後ずっと難航していた椅子がようやく完成したからです。

 

ご新居の家具を依頼して頂いたのが去年の8月のこと。スタッフオギーの先輩のSさま。

そんな間柄に甘え、少しばかりチャレンジングな家具製作にお付き合いいただきました。

このダイニングテーブルとベンチも、そのわがままで製作させて頂きました。

 

テーブルは、H Tableの構造を元にしつつ、曲線や飾り面を要所に施した仕上がりに。

連結部分のボルトナットの仕組みも少し変更しています。

 

ベンチにもダイニングテーブルと合わせた飾り面を座板にほどこしています。

脚部は挽きもの(旋盤によって製作した丸棒)ならではの装飾を施しました。

材のチェリーの雰囲気とも相性よく仕上がったのではないでしょうか。

納品に伺ったのは今年の2月…と、ここまでは順調だったのですが、新しいダイニングチェアを作るにあたっては、なかなか険しい道のりが待っていました。

当初思い描いていたのは、チャーチチェアをベースに、無駄なくバランスのよい椅子にしようと言うものでした。

 

その前に、kijirushiにとっての理想の椅子の要素についてですが、

使う場面において…

・空間に馴染む

・丈夫

・軽い

作る現場において…

・材の無駄が少ない

・無理の無い構造

・今後も作り続けられる

というもの。

 

試作を繰り返す中で、それらの理想を思い出しては立ち止まり、振り出しに戻る。

 

もう一度始めから、自分本位でスタートしようと思い、自分が好きな椅子、惹かれる椅子を考えた時に

たどり着いた答えがシェーカー様式の椅子でした。

出典:winsor chairmakers

この潔く、まっすぐに挽かれた脚や貫、それでいてバランスよく組み立てられた構造物としてのうつくしさ。

簡素ながら、つくづく究極だなぁ〜と感じるのです。

シェーカー様式の椅子を元にデザインされた椅子は過去にもたくさんあったことと思いますが、

できるだけ素直に、自分が惹かれた要素を落とし込めるように。

潔さや構造の美しさを保ちつつ、軽くて掛け心地の良い椅子を目指すに至りました。

 

その際、非常に参考になったのがCH36という椅子。

シェーカーチェアの特徴でもあるまっすぐな後ろ足。そこに組み込まれる角度のある背もたれ。

オリジナルは無垢板3枚積層による成型合板ですが、これを蒸し曲げにより、1枚の無垢板で成型することに。

 

今回の椅子で、この背もたれこそが鍵でした。

この背もたれがうまくいく = 椅子の完成なのでした。

 

凹凸型・蒸し箱・その他諸々の治具や、材料も曲げ木用に新たに発注。

じっくり石橋を叩きながら試作。

座面は工場にあったコットンテープで試し張り。

座り心地も問題なさそうで、後は各々のバランスの調整が必要です。

 

背もたれの高さやサイズ、バランスをPhotoshopで修正。

準備万端。

 

本番の製作はナラ材とチェリー材とで製作しました。

シンプルながら、奥深き椅子作り。本番では木の水分にも注目し、

前後の脚も比較的含水率の高い天然乾燥材を使用しました。

これにより、時間の経過と共にほぞ穴がしまり、さらに丈夫になってくれます。

 

組みました。塗装も施しました。座面は軽くて丈夫で座り心地もよく、雰囲気もいいペーパーコードと決めていました。

ということで、色んな角度からご覧いただきます。

シンプルだからこそ際立つ無垢材の美しい木目、オイルフィニッシュならではの上品な艶、美しいペーパーコードの張り。

椅子はある意味彫刻的だとよく聞きます。すなわち死角が無いという意味なのでしょう。

見る角度によって様々な印象がありますが、どの角度もすごく気に入っています。

なので、これを新たなkijirushiの定番の椅子 'SH Chair' にしようと思います。

 

是非一度座りにきてください。

 

Furniture & General store KIJIRUSHI

京都市北区紫竹上緑町26−1

075-406-7206

水曜日〜土曜日(最終日曜)

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